あの日、6月25日の午後。車置き場にポツンと座っていたタロウ。

「そんなところで何してるの?」と声をかけて、写真を撮った。

そして、これを最後にタロウの姿が見えなくなった。
いつもなら塀の向こう側に姿を消しても、タロウは5分もすれば必ず戻って来た。
「タロウはビビりだから遠くへ行かないし、いなくなったりしない。」私はそう高をくくっていた。バカだ、考えが甘すぎる。。
タロウが姿を消して20分が過ぎたとき、私は「帰って来ない」のではなくて、「帰って来れない何かがタロウの身に起きたかもしれない」と思った。そして、それから1時間、2時間と時間が経つにつれ、その考えは確信へと変わっていった。
タロウがいつ帰ってきてもいいように窓は開けたままにして、何度も何度も家の周りを探して歩いた。
庭のあちこち、近所の家のどこそこ、そして裏の通り沿いにある川の中も目を凝らして覗き込んだ。
(傍目からは明らかに不審人物だったと思う)
しかし、タロウは見つからず、夜になっても帰って来なかった。
暗い中を探すのはあきらめたけど、心配でたまらない。食事をとる気にもならず、ただただ悶々としていた。
が、日付が変わる頃になって「迷い猫のポスターを作らなければ!」と思いつき、私はポスターに使うタロウの写真を選ぶことにした。
昼間に駐車場で撮った写真も改めて見た。
これがタロウの最後の写真になるのかもしれない・・そう思うと涙が出た。

タロウの毛色や顔の特徴がよくわかる写真を3枚選んで・・・
どうせ眠れるわけもないし、今からポスター作って印刷して、朝が来たら配ろう。
けど、作業を始める前にお茶でも持ってこよう...そう思って、一旦部屋を出た。
そしてお茶を持って部屋に戻ったら、隅の方で何かが小さく「カタン!」と音を立てた。
「?」...何気なく音のする方を見た私の目に飛び込んできたのは、なな、なんと!、猫トイレの入り口からヒョコッと出ているタロウの顔だった。
(◉ ◉)・・・び、び、ビックリしたぁ。
すでに絶望的な気持ちになっていた私は、一瞬自分の目を疑った。だけど、そこにいるのは間違いなくタロウだった。
このあと、おっきな声で名前を呼んでタロウを抱きしめた...ような気もするし、タロウは(自分も)ゴハンを食べたのかどうだったのか...、よく覚えていない。
でも、タロウはケガもなく、身体も足の裏以外は汚れていなかった。ただ、オドオドオドオドして落ち着かない様子だった。
〜 * 〜 * 〜 * 〜
帰宅して1時間後。まだ緊張が抜けないタロウ。

でも、疲れてるよね。

目を閉じて・・・

やっと眠った。(夜中の1時半)

行方不明だった時間は約7時間。
タロちゃん、本当によく帰って来た!
だけど
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こうなりました。。
‥リード つけられちゃったデス‥
タロちゃん、ゴメン。
〜*〜*〜*〜*〜
ちゃんと 気をつけて やんなくちゃ いけないにゃ!
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自分にとって「タロウを失う」ということがどういうことなのか、この一件で本当によくわかった。
そして、「タロウのことは、きっとGaoさんが見守ってるはず」だなんて、
都合のよいことを、自分が本気で信じ込もうとしていたことにも気づいた。バカだ。。
タロウに何かあったら、それこそGaoさんに顔向けできないのに...。
タロウを守るのは自分以外にはいないのだ。そう肝にしっかりと命じました!